
概要
セカンドライフでは、物理エンジンとしてHavok(ハボック)が採用されています。
物理エンジンとは、オブジェクト同士の衝突などの挙動を再現してプログラム側に提供するもののことです。
Havokは、下記のような様々なゲームで利用されている物理エンジンです。
- Armored Core VI
- Assassin’s Creed
- Call of Duty
- Mortal Kombat 1
- Starfield
- SnowRunner
- STREET FIGHTER 6
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
バージョン
概要
セカンドライフでは、最初のバージョンからHavokが利用されています。
セカンドライフのHavokは、2012年以降は更新されていません。
2025年2月現在、サーバー側のHavokのバージョンを上げる計画はありません。今後1年程度は更新の予定は無いそうです。ビュアー側は、現在Havok 2022に更新中だそうです。
Havokのバージョンが変わると、物理オブジェクトの挙動が変わってしまい、乗り物の挙動に影響が出ていました。それに対応出来ないクリエーターさんは、廃業するということも過去には起きていました。
今後新しいバージョンが導入された場合も、同じような状況が発生する可能性がありますので、その辺は注意が必要です。
利用用途
セカンドライフでは、Havokは下記の用途で利用されています。
用途 | 動作環境 |
---|---|
アバターの移動や衝突 | SIM |
オブジェクトの移動や衝突 | SIM |
NavMesh | SIMおよびビュアー(NavMeshの表示や設定用) |
凸分割の計算 | ビュアー |
セカンドライフのHavokは、基本的にSIM上で動作しています。
このため、どのビュアーから見ても物理オブジェクトが同じ位置に表示されるようになっています。
物理計算をローカルで行った場合、通信のタイミングのずれや計算誤差で違う方向に動いてしまうことがあります。これを防ぐために、セカンドライフでは物理計算を全てサーバー側で行っています。
Havokでは、アバターも物理オブジェクトの一つとして扱われています。
サードパーティー製ビュアーでのHavok
リンデンラボでは、サードパーティー製ビュアーのためにHavokのサブライセンスを行っています。
OpenSIMでのHavok
リンデンラボはセカンドライフに対してのみ、Havokのライセンスを取得しています。
そのため、OpenSIMではサーバー側/ビュアー側共にHavokを利用することは出来ません。