セカンドライフで予定されている今後の計画をご紹介します。
この記事の目次
モバイルアプリ
iOSとAndroid用のセカンドライフのモバイルアプリが現在開発中です。
ただし、これは“ビュアー”ではなくて、“コンパニオンアプリ”と呼ばれています。
下記の機能が最初のバージョンでサポートされる予定です。
- コンパニオンアプリ専用のSIMへのログイン
- IM
- グループチャット(グループIM)
コンパニオンアプリでログインした場合は、モバイル版専用のSIMにログインする形になります。このSIMには、パソコン版のユーザーは入ることは出来ません。
コンパニオンアプリ専用のSIMは、現在3つ用意されているそうです。
下記のSIMが該当するSIMだと思われます。


下記の機能は、当面サポートされません。
- インワールドの3D表示機能
- ローカルチャット
モバイルで、ちょっとした連絡をするためのアプリという位置付けのものです。
“セカンドライフビュアー”ではありませんので、その辺は間違えないようにしてください。
現在、iOS版が先行して開発されています。
アップルストアでのパブリックベータ版に向けてアップルへ一度アプリの提出が行なわれたそうですが、審査で却下されてしまったそうです。現在は次の審査に向けて準備が進んでいるそうです。
ビュアー
公式ビュアーでは、複数の機能が開発中です。
Copypaste
編集ウィンドウの各パラメータを簡単にコピー&ペースト出来る機能が追加されます。
編集ウィンドウに新設された「Copy」「Paste」ボタンで、編集ウィンドウの設定をコピー&ペースト出来ます。
コピー&ペースト出来る内容は、歯車アイコンにある設定から選択することが出来ます。
Legacy Profiles
公式ビュアーで採用されているWebベースのプロフィールを、Firestormなどで採用されている旧形式のプロフィールに戻すものです。
Custom Key Mappings
セカンドライフビュアーを操作する際のキーの割り当てが、環境設定で変更出来るようになります。
ゲームやグラフィックソフトなどではよく見かける設定ですが、ようやくセカンドライフ公式ビュアーでもこの機能がサポートされるようになります。
Jelly
描画の負荷が高いアバターをシルエット表示にする機能のパフォーマンス向上を目的とした改良版です。プロジェクト名は「ゼリードール」から名付けられています。
Simple Cache
ビュアーでダウンロードされたメッシュやサウンド、アニメーションなどのキャッシュファイルを管理するシステムの改良が行なわれています。複雑だった仕組みを、よりシンプルにしようという試みが行なわれているそうです。
Muscadine
AnimeshをLSLでカスタマイズ出来るようにする機能が追加されます。
シェイプスライダーの値が、LSLで動的に変更出来るようになります。
現在は、担当者がARCTANの作業を優先にしていますので、Muscadine Viewerの開発は保留中です。
360 Snapshot
セカンドライフビュアーだけで、360度パノラマ画像を撮影出来るようにする機能が追加されます。
現在は他の機能の開発が優先されていて、360 Snapshot Viewerの開発は保留中です。サーバー側での対応も必要なため、クラウドへの移行が完了した後、作業が再開される見込みだそうです。
以上のビュアーは、公式サイトのAlternate Viewersのページからリリース候補版やプロジェクトビュアーとして開発中の物を試すことが出来ます
下記の内容は、プロジェクトビュアー等としてはまだ用意されていない物ですが、リンデンラボの内部で準備中の物です。
Voices Carry
チャットレンジを変更可能にするプロジェクトです。
セカンドライフのチャットは通常20mの距離まで届きますが、この範囲をSIMの設定で変更出来るようにする機能が現在開発中です。
変更出来るのは、チャンネル0のチャットのみです。他のチャンネルには影響はありません。
このプロジェクトでは、SIM側/ビュアー側双方に変更が入るそうです。
現在、ベータグリッドの「Animesh1」「Animesh2」「Snark」SIMでこの挙動を確認出来ます。こちらでは、40mまでチャットが届くように設定が変更されているようです。(現在のビュアーではSIM側の設定値は見れませんので、アバター2つを使って実際に届く距離を調べました。)
ARCTAN
ビュアーの描画コストを全面的に見直すプロジェクトです。
- アバターのレンダリングコストの再見直し
- Rezされたオブジェクトにもアバターのレンダリングコストと同等の評価を導入
- 描画の負荷を意識した、ランドインパクト(LI)の見直し
- LODを適切に使用していないものは、描画コストにペナルティを加える(低LODにもハイポリゴンのモデルを設定している場合など)
といった感じのものが検討されています。
現在は、アバターのレンダリングコストの見直しが行なわれていて、その内容がプロジェクトビュアー「Jelly」に反映されています。
ビデオメモリの拡張
現在の公式ビュアーは、ビデオメモリは512MBまでしか利用出来ません。
このため、メッシュやテクスチャーが多いところに行くと、少ないメモリで画面の表示をおこなわないといけないため、テクスチャーの切り替えでパフォーマンスが低下したり、きれいに表示されたはずのテクスチャーがぼやけてしまうといった現象が起きてしまいます。
サードパーティー製ビュアーではこの部分を拡張して512MB以上のビデオメモリを利用可能にしているものがあります。
このソースコードが、リンデンラボに提供されたそうです。
リンデンラボもこの部分は公式ビュアーでも改善したいそうで、作業予定のリストに現在含まれているそうです。
グラフィック改良(UI)
現在のセカンドライフ公式ビュアーは、3Dシーンの描画の際毎フレームビュアーのUIも描画を行なっているそうです。これは少なからず3Dシーンを表示する際の負荷に影響があるそうで、現在3D描画からのUIの描画の分離の作業が始まったそうです。
この改良により、3D側の描画処理の変更無しに描画の負荷が軽減される可能性があります。
グラフィック改良(macOS)
macOS 10.14 Mojave以降、OpenGLは非推奨になっています。
そのためリンデンラボでは、セカンドライフビュアーのMetalへの移行を現在検討中です。
この対応が行なわれた場合、Metal非対応のMacではセカンドライフビュアーは動作しなくなる可能性があります。
グラフィック改良(Windows)
macOSでのMetal移行が完了した段階で、Windowsもグラフィック周りの改良が行なわれるそうです。
ARM Mac(Appleシリコン)対応
ARM CPU(Appleシリコン)を搭載したMacでもセカンドライフ公式ビュアーを使用出来るようにするための調査が行われています。
ビュアーも、今後もさまざまな機能追加や改良が予定されています。
プレミアムプラス会員
セカンドライフには、無料会員のベーシックと有料会員のプレミアムの二つのランクがこれまでありましたが、三つ目のランクとして「プレミアムプラス(Premium Plus)」が現在準備中です。
プレミアムプラスでは、プレミアムアカウント以上の特典を受けられるそうですが、まだその詳細は公表されていません。
本来は2020年春に導入予定でしたが、まだ検討が必要なことがあるのと、新型コロナウイルスの世界的な流行の影響もあるため、現在導入は延期になっています。